発熱してすぐのインフルエンザ迅速検査の考え方

インフルエンザが流行しています。当院ではB型>A型という印象ですが、国立感染症研究所情報によればA型(H1N1pdm09)最多で次いでB型(山形)だそうです。当院では成人が一段落して小児、学生に移ってきている感じです。悩ましいのが、「さっき学校で熱が出たので学校の先生がインフルエンザ検査を調べてこいと言われた。」と言って来院された時です。インフルエンザの迅速検査は感度54%(2017)、特異度98%とかなり難がある検査です。(特異度が高い・・・インフルエンザプラスなら確定診断につながる、感度が低い・・・インフルエンザマイナスでも除外できない)おまけに24時間以内の確率はさらに下がるので熱が出て数時間ではインフルエンザであっても検査は陽性にならないことも多いのです。検査がマイナスの時は、黒に近いグレイなのか、白に近いグレイなのかを考えないといけません。以前プライマリケア学会で名郷直樹先生に受けたレッスンより「ベイズの定理」を使って説明をしていますが、納得まではいってない感じを受けています。

事前確率としてインフルエンザ流行期に咳と熱がある患者は79%がインフルエンザであるといわれています。(2000)(徳田先生の新しい本では流行期インフルは10%として計算されていました。そこにオッズ化して陽性尤度比をかけると大体同じ感じになりそうです。)そこでインフル検査が陰性でも陰性尤度比をかけて67%がインフルエンザの確率です。もちろん診察所見などで他の可能性が考えられたならそれの検査をします。

結果として、流行期に咳と熱があるなら、検査陽性で98%、検査陰性でも70%はインフルエンザの可能性があるということです。この結果をとらえて陰性の可能性が高い時期にあえて(かなりきつい!)迅速検査をするのか?ここを学校の先生にも考えてほしい所です。もちろん公衆衛生上必要なのも十分理解していますが、症状がないインフルエンザも沢山います。その方たちは通学しているわけで、線引きはもともと難しいのです。疑いがある方は一日家で風邪薬で様子を見て、翌日の検査でも十分間に合うと思います。そして抗インフルエンザ薬(健常者には1~2日の熱短縮効果しか証明できていませんのでいろいろ議論あるところですが)の投与適応をかんがえてはいかがでしょうか?

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